リンパ管拡張を伴うリンパ球形質細胞性腸症
概要
慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振の原因は、ストレスや食べ物の嗜好といったものから、アレルギーや細菌感染、胃腸炎など実にさまざまです。
原因の特定が難しいため、何らかの病気が重症化し治療が困難になるケースもあります。
症例
ウェルシュ・コーギー(避妊雌・9歳齢・15.95kg)
- 数日前からの水様性血便、嘔吐にて来院
- 既に他院にて治療開始
- 来院時、血便・嘔吐があり呼吸速迫・心音聴取困難であった
検査
血液検査所見 |
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レントゲン検査所見 |
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超音波検査所見 |
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診断的検査 |
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内視鏡検査 |
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腹腔鏡検査 |
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病理組織学的検査結果 |
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治療
- 長期投与していたプレドニゾロン(1mg/kg BID)の漸減
- シクロスポリン(5mg/kg SID)の併用
- 抗生物質(ノルフロキサシン 16mg/kg BID、メトロニダゾール 13mg/kg BID)
- 食事療法(ヒルズz/d)
終わりに
難治性の腸疾患では確定診断として腸生検が必要ですが、従来の内視鏡のみでは確実な採材が不十分であり、全層生検が理想と思われます。
腸生検の方法として、従来の開腹術でなく内視鏡検査と腹腔鏡検査を組み合わせることで、必要最小限の切開創から確実な採材が可能となり、また、腸管の粘膜面側からだけでなく、漿膜面側からの観察や生検、他臓器の観察や生検が同時に行えます。
近年、腹腔鏡検査は開腹術に代わる検査法になりつつあり、QOL向上のひとつとして役立っています。
ご紹介した症例は当院における臨床症例の一部であり、全ての症例に適用されるものではありません。また、記事の内容は掲載時のものであり、現状と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
この記事の更新日:2013年10月31日